BREAK THE WALLリミックス
2023年6月、初心者DTMer向けに作曲手法やプラグインのセール情報を発信されているVirtual YouTuber「クランとリオン」様のチャンネルにて、彼らのファーストアルバム「BREAK THE WALL」の表題曲「BREAK THE WALL」のリミックスコンテストが行われました。 その際に応募させて頂いた私のリミックスについて書き連ねてみたいと思います。 長々となってしまって野暮だなあ、と思う一方で、こう中身について書かれてる方ってあまりお見掛けしないので、まあ書いてみるか、の精神です。
需要?そんな言葉はママの胎内に置いてきた。(このフレーズ個人的に気に入った)
前回のBrand New Dayリミックスについてはこちら。
原曲「BREAK THE WALL」について
2023年5月12日に各配信サービスにてリリースされました。 デビューシングルの「Brand New Day」は比較的ポップめでしたが、こちらはガチガチのカッコよさが際立っているように思います。 前回、Brand New Dayを超えてくるのは大変だなあなんて思ったんですが、やはり勝手な愚考でしたね。 さすがです。
自分のリミックス
今回のリミックスもまあ悩みました。 前回よりも難産だった気がします。 デビューの楽しさを表現、みたいなイメージが今回まったく浮かべられなかったのもあると思います。
それはそれとして、こうしよう、みたいな案は一応持っていました。 結局それはボツなんですが。こんな思いもありました的な感じで、ひとつ。
ボツ案1
パーマ大佐、アイドル鳥越、ワールドヲーターの1人+1人+1組からなるホーリーオーギーというコントグループがいるのですが、彼らがやられていた「出待ち」というネタがけっこうお気に入りでして。 コントの中でパーマ大佐がルーパーを使ってクリエイティブオタクとなっています。
これは私も挑戦してみようと家族の隙を狙って録音してみたんですが、これがまた聴くに堪えない。 自分でも「こーれはないわー」と笑っちまったほどに聴くに堪えない。 まず自分の声も変だし、刻んでる4つ打ちが微妙にずれててリズミカルじゃないし。 多分使ってるオーディオインタフェースがあのAG03だからですね(違う)。 ちゃんと練習してビートボックスの基礎でも身に着けてから挑戦するべきでした。
そういえばTLで実はビートボックス出来ますという方がいらっしゃって、本当やらなくてよかったと心の底から思いました😭
リベンジ…は、難しいかなあ……。
ボツ案2
先日書いたブログ記事では、この案で制作中でした。 「ちょっと辺鄙な村から始まるBPM120くらいのDTM生活」をテーマに、Vol.1同様アニメのOP調を目指していました。 記事のとおり、ドラムパートはなかなかスムーズに進み、ほぼ入れ終わっていました。 が、ベースその他何を入れても全然ハマらず全く進まなくなってしまいました。 新谷良子さんの「CANDY☆POP☆SWEET☆HEART」をオマージュしたイントロにしたろ、とそんなフレーズも入れたのですが、これでは生かせない。 諸々もったいないかなあとは思ったんですが、いっそスパっと捨てたほうが良いこともある、と思い込んでボツにすることにしました。
入れられたドラムパターンは結構好きなんですけどね。
というわけで採用案
突然ですが、スペース☆ダンディというアニメはご存じでしょうか。 リーゼントがキマったダンディな主人公「ダンディ(CV:諏訪部順一さん)」とベテルギウス星人の「ミャウ(CV:吉野裕行さん)」、掃除機ロボットの「QT(CV:佐武宇綺さん)」らが繰り広げる、なんだか不思議なお話です。 ふとそのOPが聴きたくなって聴いてたんですが、やっぱいい曲だなあと思います。 岡村靖幸さんの「ビバナミダ」という曲です。
というわけで宇宙感、スペースファンタジー感、スペースポップ感的なモノを入れてみようとなりました。 できればアニメソングちっくになればいいな、と。
ちなみに僕のリミックスにはビバナミダ感はまったくありません。
全体的なやつ
原曲キーはG#minorですが、私はマイナーキーで曲作ったことがないんですよね。 いや、厳密には全くないわけではないんですが、ダイアトニックコードから抜け出せないマンなのでどうしても悲壮感漂うアレンジになってしまう。 というわけで、明るくなってくれるであろうことを期待して、平行調であるBmajorで作ることにしました。
コード進行ですが、実は王道進行、いわゆる4536進行しか使ってません。 途中長さを変えたり稀にテンション追加してたりはしますが、最初から最後までずっと4536です。 凝ったコード進行を考えるのが初心者の私には難しく、かといって原曲のままだとBmajで作るにはどうなんやろ…となったので、こうなりました。 あと4536のみでごり押ししてやるという強い意志。
構成については、ボツ案2にときに固まりました。 ボツ案1の時点で構成の案はまああったんですが、それ以前の問題が発生したので構成が固まる前にボツになりました。 基本的に原曲から大きく変えることはしませんでしたが、サビの後で尺を稼いで1コーラス90秒にまとめようと考えていました。 それが「ブレイクザウォー」のリフレインになります。
BPMは原曲の100だとどうにも自分的に遅くてリズムがハマらなかったので、120に早めました。 これもボツ案2からの採用です。 クラリミコンVol.1だと速度を変更した方はあまり多くなかった気がしますが、Vol.2では結構多かったですね。
長さについては1コーラス90秒に収まるよう、冒頭にほんの少しだけ無音時間を入れたりして調整しました。 前回は自分のDAW上だとぴったり90秒だったのですが、配信では最後がわずかに切れてしまいました。 それを鑑みて、今回は1コーラス88秒くらいになってると思います。 2番の冒頭が流れずぴったりに納まったのは内心よっしゃーとなってました。 止まった後に「あれ、90秒だけの提出だっけ???」という感じでリオンさんがDAWをスクロールしてたのが印象的でした。
使用したプラグイン等は動画の概要欄に記載しています。
ドラム
ドラムはほぼLoopcloudのサンプルです。 キックは2つほどレイヤーしてますが、それ以外は単音です。 キックはレイヤーすれば音が太くなる的なことは想像がつくんですが、ハットやタムなんかもレイヤーしたりするんですかね? スネアにクラップを薄くレイヤーすると高音も混ざって抜けが良くなる、ってのも聴いたことはあるんですがやってません。
基本的にパラアウトはしてますが、個別のエフェクト等はキックにFLStudio付属のFruity Parameteric EQ 2、Soundgoodizerのみです。 あとはバストラックにUrban Puncher、Neutron Compressor、Fruity Reeverb 2くらいですかね。 本当はそれぞれに必要に応じて多々音作りしたほうがいいんでしょうけど、だいたいボリューム調整してパン振ったら満足してしまいます。
ベース
Serum×1、SubLab×2の合計3本をレイヤーしてます。 基本的にルート音を8分音符で鳴らしてるだけで、たまに経過音をたどったりしてる程度です。 カッコいいベースラインやワルいベースには憧れますが、憧れは憧れのままで止まってしまっています。 良くないですね。
エフェクトに関しては、これもバストラックにて高域をEQで削ってるだけです。 コンプも何も挿してません。 挿す意味を見出せませんでした。 本来ならキックに合わせて多少ダッキングしたほうがよかったのかもしれません。 我々は(いや、私は)雰囲気でおんがくをやっている。
シンセ
場所によってAvengerだったりSerumだったりFL付属のHarmor、Harmless、Sytrus、FLEXなどを使っています。 ちょっと聴こえるスタッター的な効果については、FL付属Gross Beatをエフェクトに入れています。 Gross Beatなんか僕にはちょっとムズいんですけど、適当にボリュームをてててするだけでもカッコよくなるので結構好きです。
取っ散らかってますが、本来ならそれぞれの音の役割的なものを意識して構築したほうがいいんでしょうね。 私は雰囲気でおんがくをやっている。
あとは要所要所にkHs Tape Stopを入れてアクセントにしています。
イントロ
シンセベルのアルペジオを真っ先に入れました。 これはAvengerのファクトリープリセットをそのまま使っています。 本来なら別にEQで削る必要ないと思いますが、後述のスペクトログラムのため、音色の雰囲気を壊さない程度に高域をがっつり削りました。 あとはエフェクトのサンプルをいくつか重ねてます。 アタック感の強いサンプルもあったんですが、ここではふわふわ感出したかったのでオートメーション的にボリュームを調整してアタック感が無くなるようにしてみました。 遠めにJP Idol Callのオタクボイスがいるんですが、いい味出してますね。
また、高音のノイズが鳴るようになっているんですが、これもまた宇宙空間での通信感出せてるかなーと思っています。 動画を見て頂いた方はお気づきかもしれません、そう、このノイズがスペクトログラムのあれです。 前回同様、スペクトログラム芸は入れたかったのですが、単音で入れても前回と同じになってしまい面白くないなと思いなかばあきらめ気味でした。 この高音にまぎれる形で入れられたのは我ながらグッドやで。
実はボーカルを逆再生してリバーブめっちゃ深くかけてるトラックもあったりします。
Aメロ、Bメロ
AとBはふわふわ成分を多めに、を目指しています。 基本的にはシンセのプリセットそのままですが、ものによってはアタックを弱めてちょっと柔らかさを出しているつもりです。 リフのメロディはとりあえずコードから外れないようにポチポチ入れてみたら、思ったよりいい感じになりました。 ボーカルと被ってうるさいかなあとも思ったんですが、ボーカルがラップということもありそこまででもないな、となりそのまま採用です。
「ダイソン」のところで効果音を入れてた方も多々いらっしゃったかと思いますが、自分も例に漏れずスイッチ音っぽいものを入れました。 掃除機感はあんまりないかもしれません。 私はあまり効果音を入れるのが得意じゃないんですよね。 どこに何入れたらいいかよくわかんないんです。 とはいえ、多々入れないとさみしくなるのでがんばって入れました。 ウィンドチャイムはKAWAII FUTURE SAMPLESのKAWAII CHIME、それ以外はだいたいLoopcloudからです。
Aメロ最後のヒットは最初は入れてませんでした。 Aに比べてBは少し尖りが出ている気がして、でも何もなくつなげても急すぎるなあ、と思ってました。 そこでオケヒとかシンセブラスを入れてみたら、これはこれで急すぎるしでもなんか繋がった気がしたので入れちゃいました。
サビ
「ブレイクザウォー」のリフレインは割と初期から案としてありました。 90秒を稼ぐには手っ取り早いし、宇宙感ともマッチしてるなと。 90秒を前提として、空いた小節を埋めるべく入れています。
シンセのリズム(リフ?)、というかGross Beatの掛け具合ですが、歌と重なる部分とリフレイン部分とでわけています。 歌の部分は少し疾走感を意識してキレよく、一方でリフレイン部分は抜いてゆったり感を意識したリズムに、という感じです。
前回の「エグイ!」みたいなネタが今回前半部分ではなかったので何か入れられないかなと考えてたところ、「ブレッブレッブレッブレッ」を思いつき入れました。 この部分、無くても別に問題ない気がするんですが、無かったら無かったで結構さみしいなあという印象だったので入れられて良かったです。 その後のリフレインには入れてませんが、試しに入れてみたら「うるせえ!」ってなってしまったので1コーラス1回にとどめています。 やりすぎは良くないですね。
クランさん、リオンさんソロ
前回もそうでしたがソロは悩みますね。 世の中の多くの曲は、Cパート?で抜き気味の編曲で最後に盛り上げる、的な感じな気がしますが、これもそんな感じにしました。 ほぼドラムとベースのみのシンプルな構成です。 もうちょっと何かどうにかなったんじゃあないのかい?と思いつつ、これくらい思い切って抜いたほうが他のパートとメリハリがつく、と割り切っています。
ここのパートの最後らへんのタム、今さらながら冗長な気がしてます。
大サビ手前
シンセベルのメロディ多用してるんですが、最後の盛り上がりに向かって2回ほど順に半音あがるよう転調しています。 まぁ大サビ自体では元に戻るんですけど。
あとは、
エグイくるよ!
大サビからアウトロ
1番や2番と変えるわけでもなく、とはいえまったく変えてないわけではないんですが、まぁ9割がたそのままです。 やはり変えるというのはニガテですねえ。 最後の最後の悪あがき、じゃないですけど、本当に最後だけボーカルにディレイをかけてます。 これはこれで宇宙アニメOPのfin感出たんじゃないですかね、多分🤔
ちなみに1コーラス目の最後にはなぜディレイを入れてないかというと、90秒超えちゃって無音部分が無くなっちゃうからです。 もし入れてたら全曲視聴会の時に終わらずにディレイだけ尻切れになったと思います。
コメント
お世話になっております。さて、
『あの「クランとリオン」が満を持してのアニメ化決定!?!?
……SPACE MEDAKAとは、宇宙のメダカである……
広い宇宙のどこかにあるというプルギン銀河系の惑星ボウティクエ。
サカバンバスピスにHIP-HOPを教えて回る科学者リオンと、
ひょんなことからめっちゃジャンプするクランちゃんが織りなすスペースふわふわアニメ!
クラン「リオンさん、調子にノってますか!?」
リオン「BREAK THE WALL!C'mon yo ALL!EVERYBODY CALL!BURNIN' SOUL!」
SPACE MEDAKA、2112年9月3日、放送開始じゃんよ!』
というノリでお聴きくだされば幸いです。
というコメントで応募しました。 前出のスペース☆ダンディをご存じの方がいれば、「あ、言い回し若干持ってきてんな」と思われたと思います。 「スペースダンディは、宇宙のダンディである」という言い回し結構好きなので使わせていただきました。 また、2112年9月3日という日付にピンと来られた方もいらっしゃったかもしれません。 この日はそう、ドラえもんの誕生日ですね。 なぜこの日を選んだか、すみません、単なる思いつきです。 リオンさんのセリフですが、あまり刺さってなかった、ような気がします。 しょーもないセリフを言わせてしまい申し訳ありません…😥
前回もこんなノリで応募しましたが、楽曲そのものよりもコメントに頼ってしまったかなあと少し思っています。 ひと言だけコメントの方もいらっしゃって、そちらのほうが「曲を聴け、話はそれからだ」的なカッコよさを感じる気がしています。 とはいえ、こうでもしないと自分はテンション保てず緊張を紛らわせられないです。 潔さもないし。
今後も機会に恵まれてこのノリが思いつけば、このノリで応募すると思います。
できなかったこと
- 1番と2番で変化をつける
前回もそうでしたがニガテですね…。 一応、変化をつけるぞ的な漠然とした考えだけはあったんですが、うにゃーんどうにもこうにも。 これに関してももっと自分の手札が必要な気がします。
- MIX作業に意味を持たせる
私は雰囲気でおんがくをやっている。
終わりに
え、長…コイツ自己満足だけでこんだけ書いてんの……???こわ……
それはそれとして、好きなんすよスペース☆ダンディ、たしかPrime Videoで配信してた気がするのでみんな見ましょう。 私はdアニメストア勢なので見られません。
長々と駄文を読んでいただいた方、いきなり最後から読む派の方、読んでいただきありがとうございます。 前回より成長したのかどうか、自分ではちょっとわからないです……。 アニソンメインな自分なので、どちらかというの生音系のほうがまぁみたいなところあるんですが、今回のようなエレクトロ的なアレンジもできたという点では進んだのかもしれません。 そう思って心の平穏を保つのだ。 これってエレクトロ系か?とか言うんじゃアリマセン。
もっと自作曲も精力的に作って、いろんなジャンルに触れたいなあと思う今日この頃です。